会社員には企業型DC(確定拠出年金)・iDeCo・NISAの3つの非課税・節税制度が活用できます。 それぞれの特徴と自分の勤務先の制度に合った組み合わせを理解することで、 老後資産の形成と現役中の節税を同時に最大化できます。
会社員のiDeCo拠出限度額が大幅に引き上げられる予定です(企業年金の有無に関係なく 月6.2万円の共通枠に一本化)。勤務先に企業型DCがある方も、より多くの節税が可能になります。
3制度の基本比較
| 項目 | 企業型DC | iDeCo(個人型DC) | NISA |
|---|---|---|---|
| 掛金負担 | 主に会社が拠出(マッチング拠出で本人も可) | 自分で拠出 | 自分で拠出 |
| 節税の種類 | 所得控除(マッチング拠出分) | 所得控除(掛金全額) | 運用益・配当が非課税 |
| 月額上限(現行) | 会社が決定(iDeCoと合算で上限あり) | 2万円(DC併用)〜2.3万円(DC無) | 30万円(つみたて10万+成長20万) |
| 引き出し制限 | 原則60歳まで不可 | 原則60歳まで不可 | いつでも可能 |
| 運用商品 | 会社が選定した商品から選択 | 自分で選択(金融機関による) | 自分で自由に選択 |
| 所得控除 | あり(マッチング拠出のみ) | あり(全額) | なし |
| 運用益非課税 | あり | あり | あり(無期限・生涯1,800万円) |
勤務先の制度別:iDeCoの拠出上限(現行)
| 勤務先の企業年金 | iDeCo月額上限(現行) | 2026年12月以降(予定) |
|---|---|---|
| 企業年金なし | 23,000円 | 62,000円(合算枠) |
| 企業型DCのみ | 55,000円−事業主掛金(上限20,000円) | 62,000円(合算枠) |
| 企業型DC+DB等 | 55,000円−(事業主掛金+DB等掛金相当額)(上限20,000円) | 62,000円(合算枠) |
| DBのみ・公務員 | 55,000円−DB等掛金相当額(上限20,000円) | 62,000円(合算枠) |
※2026年12月以降は企業型DC事業主掛金とiDeCo掛金の合算が月6.2万円に一本化(予定)。DB等掛金相当額が大きい場合は最低額5,000円を下回り拠出不可の場合あり。
NISAの枠(2024年新制度・2026年も継続)
つみたて投資枠
年120万円
金融庁基準を満たす長期・積立・分散投資向けの投資信託・ETFが対象
成長投資枠
年240万円
上場株式・投資信託等(高レバレッジ投信・毎月分配型は除く)が対象
合計・生涯枠
年360万円
生涯非課税限度額は1,800万円(簿価ベース)。売却した翌年に枠が復活
目的別おすすめの組み合わせ
ケース①:節税+老後資金を最大化
iDeCo(月2万〜2.3万円)+ NISA(月2〜5万円)
iDeCoで所得控除による節税をしながら、NISAで柔軟に資産形成。企業型DCがない会社員に最適。
企業年金なし・節税と資産運用のバランスを取りたい方向け
ケース②:企業型DCを最大活用
企業型DC マッチング拠出(最大化)+ NISA
勤務先にマッチング拠出制度がある場合、事業主掛金と同額まで本人も拠出可能(全額所得控除)。iDeCoとの選択制に注意。
企業型DCのマッチング拠出制度がある会社員向け
ケース③:公務員・DB加入者
iDeCo(月1.2万→2万円〜)+ NISA
2024年12月改正でDB加入者・公務員のiDeCo上限が月2万円に引き上げ済み。NISAと合わせて非課税枠をフル活用。
公務員・DB加入の会社員向け
節税効果の試算(iDeCo)
| 年収(会社員目安) | 課税所得 | 税率(所得税+住民税) | iDeCo月2万円の節税(年) | iDeCo月2.3万円の節税(年) |
|---|---|---|---|---|
| 400万円 | 約120万円 | 15% | 約3.6万円 | 約4.1万円 |
| 600万円 | 約270万円 | 20% | 約4.8万円 | 約5.5万円 |
| 800万円 | 約400万円 | 30% | 約7.2万円 | 約8.3万円 |
| 1,000万円 | 約600万円 | 33% | 約7.9万円 | 約9.1万円 |
※年収から給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除を差し引いた課税所得の概算。復興特別所得税は含みません。実際の節税額は各自の控除状況により異なります。
よくある質問
Q. 企業型DCとiDeCoは同時に加入できますか?
A. 条件付きで可能です。勤務先の企業型DC規約でiDeCoへの同時加入が認められており、 かつ両方の合計掛金が上限内であれば加入できます。2024年12月の改正で手続きが簡素化されました。
Q. マッチング拠出とiDeCoはどちらがいいですか?
A. マッチング拠出とiDeCoは選択制です(両方は不可)。 マッチング拠出は事業主掛金と同額まで拠出可能、iDeCoは金融機関を自由に選べる点が異なります。 商品ラインナップや節税の仕組みは同じ(掛金全額が所得控除)のため、勤務先の制度内容と商品を比較して選択してください。
Q. NISAとiDeCoはどちらを優先すべきですか?
A. 節税効果の高さではiDeCoが優位(掛金が所得控除になる)ですが、60歳まで引き出せません。 生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)を確保した上で、まずiDeCoで節税、残余資金をNISAで運用するのが一般的な考え方です。
Q. 転職時に企業型DCはどうなりますか?
A. 転職先に企業型DCがある場合は移換手続きが必要です。転職先に制度がない場合はiDeCoに移換できます。 手続きは6ヶ月以内に行わないと国民年金基金連合会に自動移換されるため注意が必要です。
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※加入時一時金2,829円+毎月171円(国民年金基金連合会・事務委託先)は全金融機関共通です。
※本ページの情報は2026年4月時点のものです。制度・税率は改正により変わる場合があります。
※iDeCoの拠出上限は勤務先の企業年金の種類・DB等掛金相当額によって異なります。詳細は勤務先の人事部門または各金融機関にご確認ください。
※節税効果は個人の所得・家族構成・各種控除の状況により異なります。具体的な試算は税理士等にご相談ください。
※本サイトは特定の金融商品・サービスへの加入を推奨するものではありません。